ほろ苦い失敗のキオク
- アイスコーヒー
- プレーンベーグル with クリームチーズ
- バタークロワッサン
今でこそ問題なく注文出来ますが、初めて留学した10年前、”クロワッサン”で失敗した経験があります。
当時ニューヨークに留学していた私は、学校への道すがら、クロワッサンを買おうとベンダーへ向かいました。(ちなみにベンダーとは、マンハッタン路上でよく見かける”屋台”のようなもので、ベーグルやパン、コーヒーをはじめ、色々な軽食を販売しています)
私の順番が来て、こう頼みました。
「Can I have a バタークロワッサン?」
しかし、ベンダーのおじちゃんは理解してくれません。再度注文するも理解してもらえず、結局ドーナッツに落ち着くという結果に。
欲しいパンひとつ買えず打ちのめされた私はしかし、翌日、リベンジを期すべく、同じベンダーへ向かいます。今度は対策も立てたしきっと大丈夫、クロワッサンは俺のものさ!、と自信満々にこう注文しました。
私:「Can I have a バタークロワッサン?」
おじちゃん:「...」
私(の心の声)「だ、だいじょうぶ。まだ、つ、次の手がある」
私:「Can I have a バタークロワッサン?」
おじちゃん:「... ...」
私:「... ... ... This! This!」
練りに練った対策(アクセントを変える)も不発に終わり、”奥の手”のジェスチャーまで披露させられては、クロワッサンを食べる事が出来たとはいえ、2連敗した感は否めません。
何が悪かったのだろうと、ここで初めて辞書を引きました。答えは至極明快、発音が悪かったのです(もっと早く気付こうね、自分)。
クロワッサン、は日本語英語。私の電子辞書による正確なスペルと発音記号は、
croissant [krəsɑ'ːnt]
私の耳には、「クロサーンッ」 と聞こえます(最期の「ッ」が大切)し、そう意識して発音してからは、連勝街道(?)まっしぐらでした。
何気ない事ですが、失敗から学ぶ、を経験出来た良い機会でした。(今振り返れば、の話しですが、当時は26歳成人男性が欲しいパンひとつ買う事も出来ず、ただただ情けなかったのを憶えています)